令和3年7月

会長挨拶 中小企業診断士協会への名称変更に当たって

 

一般社団法人長野県中小企業診断士協会

会長 黒澤 正行

平素は長野県中小企業診断士協会の運営にご協力いただきましてありがとうございます。 本会総会後に行われた理事会で、引き続き会長としての重責を担わせていただくことになりました。会員の皆様方のお役に立てるように尽力して参りますので、ご支援、ご協力をお願いいたします。

さて、本年度の総会では収支決算の承認と役員の選任に加え、「長野県中小企業診断士協会」へと当会の名称変更が決議されました。従来の「長野県中小企業診断協会」という名称は、経済団体の皆様方からしばしば「診断士協会」と間違って呼ばれることも多く、また、他県協会や他士業のほとんどが「○○士協会」「○○士会」という名称のため、より同業者団体に相応しい「長野県中小企業診断士協会」に更新したものです。ただ、この名称変更にはより大きな意味が込められていると私は思います。

中小企業診断士という資格は昭和27年に創設された中小企業診断員登録制度に遡り、昭和38年中小企業指導法により法定化され、平成12年の法改正を経て現在に至ります。平成12年の改正では法律の名称が「中小企業支援法」に変更されると共に、中小企業診断士が「国や都道府県が行う中小企業指導事業に協力する者」から「中小企業の経営診断の業務に従事する者」に変更されました。つまり、公的な指導ではなく、経営診断が主な業務として位置づけられたわけです。その後、登録者の増加も相まって業務分野は多様化し、今では、一定以上の能力を持つ民間コンサルタントという意味合いが強くなっています。

名称が「診断士協会」になったことに合わせて、当協会も「診断」という枠を離れ、経営支援ができる有資格者の団体としてリニューアルしていく必要があります。医業では、「医師が診断し、薬が治す」という言葉があります。病気は適切な診断と効果的な薬で良くなるということでしょう。私たち診断士の価値が会社を良くすることにあるとすれば、診断だけではなく処方、すなわち会社の状況に応じたやり方を示し、事業者と協力しながら、適切な方向に会社を変えていく経営支援がより求められています。

コロナ堝により過剰債務を抱えた会社が増えました。また、DXによる生産性向上、事業承継、脱炭素社会への対応など、コロナウィルス感染拡大前からあった課題はより深刻さを増しています。私たち中小企業診断士は、国家資格を持つ経営支援の専門家として課題を抱える中小企業、小規模事業者、そして社会の要請に応えていく必要があります。長野県協会はその有資格者を支える組織としての役割を果たしていきます。本年度もスキルアップ機会の提供、他団体・他士業との連携による支援体制の充実、ビジネスマッチングによる仕事の紹介などで会員の支援を行っていきます。会員の皆様には中小企業診断士としての誇りを持ち、専門知識や支援能力を高め、日々の活動を通じて経済社会に貢献していただくことを期待しています。