人事異動

中小企業診断士の内山です。

私の住む飯田市では、桜がちょうど満開をむかえるところです。

みなさんの住む地域ではいかがでしょうか?

 

新入社員や新入生の姿が目に留まるこの時期、企業では「人事異動」が最も多い時期でもあります。個人的には「大人の席替え」などと思ったりもする人事異動ですが、経営者にとっても、働く社員にとっても、かなりの緊張と不安がつきまとうものです。

 

今更ではありますが、人事異動には一般的に次のような良い面や悪い面があると言われています。

(良い面)

・仕事の視野が広がり、部署ごとの役割を理解した経営管理ができる人材を育成できる

・社員の適正発見、マンネリ防止、モラル向上、セクショナリズムの防止が図られる

(悪い面)

・業務に関する専門性やノウハウの蓄積が失われる(蓄積されにくくなる)

・望まない部署や地域での勤務によるモチベーション低下、短期的な業務効率の低下

これらは水平的移動(配置転換)に関するものですが、垂直的移動(昇進・降格)まで含めると、より一層複雑になります。

 

ところでこの人事異動、日本では毎年当たり前のように行われていますが、諸外国では必ずしも「当たり前」ではないようです。海外で働く友人から話を聞いて気になったため、少し調べてみたのですが、欧米はじめ終身雇用制を採用していない国々では、そもそも一人の社員が一生涯特定の企業に勤める訳ではないため、ゼネラリスト・スペシャリストを問わず、一人一人が自らのキャリアを考えて流動的に動き回っているのだそうです。

 

また先ほど述べた人事異動のメリット・デメリットについても、改めて考え直してみると、たとえば人事異動をしている組織はモラルが高いのかといったように、必ずしも当てはまらないことがあると思いませんか?

 

雇用環境はじめ外部環境が大きく変化しているこの時代。日本の風物詩ともいえる「人事異動」も、ただ漫然と続けるのではなく、自社の実態や経営方針に合わせて、深く見つめなおす必要があるのかもしれません。

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