お客様ニーズからの逆算

先日、令和2年度の第三次補正予算が正式に決まりました。

その中で「事業再構築補助金」という補助金制度がありますが、中小企業が申請する場合、上限額が6000万円(条件により1億円)であることから、大きな話題を呼んでおります。

直近6ヶ月のうち、任意の3ヶ月につき売上高の合計がコロナ前より10%以上減少している場合に、事業再構築補助金を申請することができます。

とても事業規模が大きいこの補助金制度ですが、「何をするのか」が明確でないと、有効に活用することができません。つまり戦略をしっかり定めないと、利益につながらないということになります。

では、戦略を定めるにはどうすれば良いでしょうか? 私がおすすめする方法は「お客様ニーズからの逆算」です。

例えば新型コロナウイルス感染症が拡大する中、「家にいながら○○したい」「対面じゃなくてオンラインで○○したい」といったニーズは、企業向け・消費者向けに限らず良く耳にする言葉です。他にもお客様の手間を省く新サービスや、従来のやり方を変えてお客様に商品・サービスを届ける方法など、お客様の「○○したい」から逆算して戦略を立てることは、事業リスクの軽減にもつながります。

戦略を立てたら、次はどのような経費が必要かを考えていきます。設備は何が必要か、どのようなノウハウが必要か、広告はどのように打つかなど、戦略をもとに必要な経費を考えていくことで、いわゆる経費の「無駄打ち」を減らすことができます。

そして事業再構築補助金には、付加価値額の増加が申請条件として定められています。つまり「営業利益+人件費+減価償却費」の合計を、毎年一定以上増加させることが必要です。従って、戦略のない事業計画は利益の増加に直結せず、付加価値額の増加にもつながらない可能性があります。

そのような事態に陥らないためにも、事業計画では「戦略」をしっかり立てていきましょう。その戦略を考える際に有効なのが、「お客様ニーズからの逆算」です。

中小企業診断士 岡本 洋平

関連記事

  1. 二足のわらじ (後編)
  2. 異議あり!「事業再構築補助金」 その2
  3. 診断士としての心構え
  4. 企業経営で重みを増すガバナンス
  5. どうする?どうなる?HACCP義務化
  6. なぜ事業計画を作る必要があるの??
  7. 結果が出ることは経営の大きな強み
  8. ECRSの原則
PAGE TOP