傾聴(聴くこと)の大切さ

傾聴(聴くこと)の大切さ

2年前より、居住地の社会福祉関係の役務に関わっています。一人暮らしの高齢者を訪問し、話をする機会が月一回程あります。高齢者とのコミュニケーションでのスキルの講習会で「バイステックの7つの原則」を知りました。傾聴とバイステックの7つの原則で信頼関係が築かれます。

また、一人暮らしの高齢者の皆さんは日常で会話をする機会が少ないため、溜めていたことを我々に話すことによって、安心するといった効果もあります。

このほかにも傾聴の大切さを学ぶ機会が、いくつかあったので紹介します。

一つ目は、診断士の3次試験(診断実務実習)で。指導診断士の方から、最初に「話を最後までよく聴き、内容を理解し、まずは良いところを褒め、そのあと「だけどね、こんなところに課題がありそう・・・」と進めていく」とよいと言われました。話をよく聴くことで、対等であることを感じてもらいながら、課題に気づいてもらうことができるというものです。

二つ目は、会社勤務時代に部下との打ち合わせで。話の途中で部下から「話を最後まで聞いてくれ」と言われてしまいました。相手の話を遮ったという感覚はなかったのですが、「いつも最後まで聴いてくれない」と言われもしました。相手の話が的を得ていなくてもやはり最後まで聴き、一旦受け取ることが大切と気づきました。最後まで聴くことで部下のモチベーションの維持・向上と円滑な「ほう・れん・そう」で仕事の質向上ができます。

三つ目は、コーチング研究会でコーチングスキルの基本として学んだ「相手の話にうなずく、あいづちを打つ、相手の話を繰り返す(オウム返し)ことで話を受け入れる」こと。

このようにすることで相手が共感してくれていると感じ、話が進み、気づきがあり、能力を引き出ことができるというもの。

四つ目は、コーチング研究会の個人研究(書籍研究)で「雑談力」に関わる書籍の内容で、B to Bの対話で本題前の雑談のときに「さしすせそ」の合いの手で話を聴いたうえで本題に臨むとうまく交渉ができ、次の回に繋がっていくというもの。

「さしすせそ」は「すがですね。りませんでした。ごいですね。っかくなので。うなのですね。」

このように傾聴は、そのスキルやもたらす結果がそれぞれの場面で異なりますが、傾聴は対等、信頼感の醸成につながり、良好な関係が生まれるものと思います。

傾聴は、意識しないとなかなか難しいものです。診断士の活動、地域での活動など様々なコミュニケーションの場で、傾聴の効能を意識し、相手との信頼感の醸成に活かしたいと思います。

座光寺 泰