知的資産(強み)を発掘!見える化しましょう

皆さん、こんにちは。中小企業診断士の木内清人です。
前回は、知的資産と、それを活かす経営をご紹介しました。
※前回の記事は、こちらからお読みください。
今回は、知的資産を認識、見える化する方法についてご紹介します。

経営者の方に、「自社の知的資産、強みを認識して経営に活かしましょう」という話をすると、「うちの会社にも、知的資産があって、お客様が商品やサービスを買う理由になっていることは分かったけれど・・・。何が強みなのかなあ?」と言われることがあります。

目に見えにくく、自分では気が付きにくいので、そう思うのは当然ですよね。
では、どうすれば知ることができるのか。

まずは、お客様に聞いてみましょう。でも「なぜ、当社の商品やサービスを買ってくれるのですか?」とは聞きにくいですよね。
そこで、ちょっとお客様との会話を思い出してみてください。その中には、お客様からの感謝や評価の言葉はありませんか?
「連絡するとすぐに駆け付けて、嫌な顔をしないで短時間で直してくれるから助かるよ」とか、「お弁当を熱々で時間通り届けてくれるから美味しく食べられるよ」と言われませんか。
従業員が修理の依頼に対して嫌な顔をしない、つまり接客態度が良い。短時間で直す能力、ノウハウがある。また、熱々で時間通りに届ける仕組みがある。これらが強みと言えます。

経営者の方が一人で考えても良いのですが、経営者と従業員が集まって、お客様との会話を思い浮かべながら、強みを話し合ってみてはどうでしょうか。お客様からの感謝や評価を思い浮かべる、話し合う中で自然と全社員が自社の強みを発掘、「認識」する機会になり、やる気の向上にもつながります。そうやって出てきた強みを紙にまとめて「見える化」します。

ところで、強みが「どこにあるか」という観点で、知的資産は3つに分類できます。
一つは、従業員が退職すると失われてしまう『人的資産』です。従業員の接客態度や、ノウハウ・技術、経験、資格などです。
二つ目が、会社の仕組みになっている『構造資産』です。お客様情報のデータベースや、教育制度などになります。
三つ目が、会社と会社の関係から生じる『関係資産』です。企業イメージや顧客満足度などが該当します。

話し合いの中で出てきた強みを、知的資産の分類に当てはめてみましょう。
『人的資産』が多い時にはチョット注意が必要です。その強みを持つ従業員が退職すると失われてしまいますよ。個人が持っている強み『人的資産』を、マニュアル化するとか、情報共有の仕組みを作ることで『構造資産』を増やしていきます。このような取り組みを行うことで強みを維持、強化していくことができます。

ぜひ、お客様の感謝や評価を話し合う機会を作って、自社の知的資産、強みを発掘、見える化しましょう。

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